ひとり親家庭の生活支援事業|家事の手伝いと家計相談の使い方

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「残業になりそうな日、子どものごはんをどうしよう」

「ひとり親に、家事や保育を手伝ってくれる制度ってあるの?」

先に結論を書きます。あります。「ひとり親家庭等日常生活支援事業」といって、家庭生活支援員が家事や保育を手伝ってくれる制度です。

対象には、残業・出張・病気・学校行事などで、一時的に手伝いが必要な家庭が入っています。離婚調停中の人も対象です。

ただし、実施するのは都道府県や市区町村です。内容も、費用も、自治体で違います。

この記事では、こども家庭庁の資料と、自治体2市の案内を読んで、国の決まりと自治体の違いを整理しました。ぼくは使ったことがないので、変に美化せず、要綱と自治体ページに書かれていることだけを基準に整理しました。

「頼むのは、サボりじゃないか」と感じてしまう人は、あとで出てくる要綱の目的欄を見てください。そこに書いてある言葉は「生活の安定」です。


ひとり親の生活支援は、国の2つの事業がもとになっている

こども家庭庁のページには、ひとり親家庭への支援の中で、暮らしに近い事業が2つ書かれていました。

ひとり親の生活支援は国の2つの事業。事業1の日常生活支援事業は家庭生活支援員による保育・食事の世話・掃除・買物などで、残業・出張・病気・学校行事などのときに使え、離婚調停中も対象。事業2の生活向上事業は生活の相談・FPによる家計管理の講習会・ひとり親どうしの情報交換・子どもの生活と学習支援。どちらも実施は都道府県・市区町村で、先に自治体が実施しているかを確認する

どちらにも、同じ注意が書かれていました。

各事業は、都道府県や市区町村が実施しています。お住まいの自治体で実施していない場合は、支援の対象とならないことがあります。

つまり、国に制度があっても、自分の街にあるかどうかは別の話です。順番は、「制度の名前を知る → 自分の自治体に聞く」になります。

日常生活支援事業:家庭生活支援員が来てくれる

1つ目は、「ひとり親家庭等日常生活支援事業」です。

こども家庭庁のページと、国の実施要綱(令和7年5月9日の通知)には、次のことが書かれていました。

対象になるのは、どんなときか

要綱の対象者は、母子家庭、父子家庭、寡婦です。「ただし、離婚調停中など、離婚前の困難を抱える母又は父についても対象とする」と書かれています。

そのうえで、次のような場合が挙げられていました。

場合書いてあった内容
一時的に手伝いが必要技能習得のための通学・就職活動などの自立促進に必要な事由、または病気、出産、看護、事故、災害、冠婚葬祭、残業、転勤、出張、学校等の公的行事への参加など
生活環境が激変した日常生活を営むのに、特に大きな支障が生じている家庭
定期的に必要乳幼児または小学校に就学する児童を養育していて、就業上の理由で帰宅時間が遅くなる場合(所定内労働時間の就業を除く)

「学校等の公的行事への参加」まで入っているのは、少し意外でした。授業参観のような日がどこまで入るのかは書かれていないので、窓口で確認が必要です。

どんな手伝いをしてくれるか

こども家庭庁のページには、家庭生活支援員の支援内容が7つ書かれていました。

  • 乳幼児の保育
  • 児童の生活・食事の世話
  • 住居の掃除
  • 身の回りの世話
  • 生活必需品等の買物
  • 医療機関等との連絡
  • その他必要な用務

要綱では、生活援助は被支援者の自宅で行うと書かれています。子育て支援は、支援員の自宅、講習会などの場所、児童館や母子生活支援施設など利用しやすい場所(自宅を含む)で行う、とあります。

費用は「一部を世帯が負担できる」

要綱の費用の欄には、事業にかかる経費の一部を、派遣を受けた世帯の負担とすることができる、と書かれていました。

「できる」という書き方なので、負担があるかどうか、いくらかは、自治体が決めます。

自治体で、どれだけ違うのか:2市の案内を読み比べ

国の要綱は枠組みだけです。実際の使い方は、自治体の案内で決まります。

愛知県の一宮市と、神奈川県の川崎市の案内ページを読んで、違いを表にしました。

項目一宮市川崎市
対象市内在住の母子・父子家庭・寡婦。離婚調停中など離婚前の人も利用できる場合がある母子・父子家庭・寡婦で、病気・残業などの理由で手伝いが必要な人
子育て支援の対象年齢小学校6年生までの子ども案内ページには年齢上限の記載を確認できなかった
利用できる量1か月おおむね5日以内、1日8時間以内。原則午前8時〜午後6時月10日、かつ年度240時間まで
申し込み窓口で「派遣対象家庭名簿」に登録。必要になったら派遣申込書を出す事前に登録が必要。母子・父子福祉センターに電話で相談
使えない日案内ページには記載を確認できなかった年末年始、センターの休所日(第2・4日曜、月曜、祝日)は派遣できない
費用世帯の所得に応じて負担金あり案内ページには記載を確認できなかった

一宮市の負担金は、1時間あたりです。

世帯の区分支援員の自宅など利用者の自宅
生活保護世帯・市民税非課税世帯0円0円
児童扶養手当支給水準の世帯70円150円
上記以外150円300円

同じ制度でも、使える日数、時間帯、使えない日、費用が、ここまで違います。

表の「確認できなかった」の欄は、案内ページに書かれていなかった項目です。裏を返すと、登録前の電話で最初に聞くべき項目でもあります。

川崎市の「月10日、かつ年度240時間まで」は、2つの上限が並んでいます。年度240時間を12か月で割ると、月20時間です。月10日使うなら、1日平均2時間が目安になる計算です。

特に気になったのは、川崎市の「使えない日」です。年末年始と、センターの休所日(第2・4日曜、月曜、祝日)は派遣できないので、休みの日の用事には頼りにくい可能性があります。ただし、これは案内ページから読み取ったことで、実際に頼めるかどうかは、窓口で確認が必要です。

生活向上事業:相談・家計管理の講習・子どもの学習

2つ目は、「ひとり親家庭等生活向上事業」です。こども家庭庁のページには、毎日の暮らしや子育てで抱える悩みや不安を解消するための事業、と書かれていました。

大きく2つに分かれています。

1. ひとり親家庭等生活支援事業

  • 相談支援事業:相談員が、子育て・家事・健康管理などの相談に応じ、アドバイスや支援策の情報提供をする
  • 家計管理・生活支援講習会事業:ファイナンシャルプランナーなどの専門家による、家計管理の講習会。必要に応じて個別相談もある
  • 情報交換事業:ひとり親どうしが悩みを打ち明けたり、相談し合ったりする場
  • ひとり親家庭地域生活支援事業:離婚の前後に、母子生活支援施設・民間賃貸住宅・シェアハウスなどを使って、住む場所や仕事を探す手伝いや、親子関係を作り直すための支援

2. こどもの生活・学習支援事業

放課後児童クラブなどを終えたこどもが、児童館などで悩み相談をしたり、勉強を教えてもらえたりする事業です。基本的な生活習慣の習得支援、学習習慣を定着させる支援、進路選択に活かす体験学習、大学等の受験料や模擬試験の受験料の支援などが挙げられていました。

家計の相談先というと、FP相談を思い浮かべます。ただ、自治体がFPなどによる講習会を用意している場合がある、というのは、ぼくは今回はじめて知りました。ここも、実施している自治体かどうかが前提です。

使う前に、自治体に確認しておきたい6つのこと

案内ページの読み比べから、確認しておくと安心な点を整理します。

  1. この事業を、自分の自治体で実施しているか
  2. 事前に登録が必要か。登録に期間はあるか
  3. 自分の状況(残業、出張、学校行事、病気など)が、対象の事由に入るか
  4. 子どもの年齢の上限があるか
  5. 使える日数・時間帯・曜日と、使えない日
  6. 負担金があるか。あるなら、世帯のどの区分でいくらか

特に、事前登録は、一宮市も川崎市も必要でした。困ってから探すと、登録の手間が間に合わないことがあります。

要綱にも、「できる限り速やかに派遣の要否を決定する」と書かれていますが、日時や内容によっては、支援員が見つからない場合がある、とも一宮市の案内には書かれていました。

この資料に書かれていなかったこと

正直に、読んで分からなかった点も書いておきます。

  • 自分の自治体で、この事業を実施しているか:この記事では、2市の例しか読んでいません
  • 中学生以上の子どもを持つ家庭の対象範囲:要綱で年齢が書かれているのは、定期的な利用の場合の「乳幼児または小学校に就学する児童」です。一時的な利用の場合の年齢上限は、国の資料では確認できませんでした
  • 実際の利用のしやすさ:予約の取りやすさ、支援員の人数などは、読んだページには出ていません
  • 所得などの利用条件の細部:自治体ごとに違うため、確認していません
  • ぼく自身が使った経験:ありません。この記事は、公式資料の整理です

よくある質問

離婚の前でも使えますか?

国の要綱には、離婚調停中など、離婚前の困難を抱える母または父も対象とする、と書かれています。一宮市の案内にも、離婚前の人も利用できる場合がある、とあります。自分の場合に当てはまるかは、自治体の窓口で確認してください。

来てくれるのは、どんな人ですか?

要綱では、家庭生活支援員は、実施主体が認めた資格を持つ人、または研修を修了した人などから選ばれ、登録名簿に載る仕組みです。事業の一部は、母子・父子福祉団体、NPO法人、介護事業者などに委託されることがあります。

家計の相談だけ受けたいのですが?

生活向上事業のほうに、相談支援と、FPなどによる家計管理の講習会が書かれています。こちらも、自治体が実施しているかどうかを、先に確認してください。

出典(読んだページ)

まとめ:制度の名前を知って、自分の自治体に聞く

  • 国の事業は2つ。家事・保育を手伝う「日常生活支援事業」と、相談・家計講習・学習支援の「生活向上事業」
  • 残業・出張・学校行事などでも、対象になる事由に入っている。離婚調停中も対象
  • 実施するのは自治体なので、日数・時間・費用・使えない日は、自治体ごとに違う
  • 事前登録が必要なことが多い。困ってから探すと間に合わないことがある

ここに書いた内容は、2026年10月6日時点で、公式ページを読んだ範囲での整理です。制度や費用は変わることがあります。利用の判断は、お住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

次の1アクションは、「お住まいの市区町村名 ひとり親家庭等日常生活支援事業」で検索して、実施しているかを確認することです。

見つからなければ、子ども家庭の相談窓口に電話で聞くのが早いです。電話が苦手な人も、「そういう制度はありますか」の一言だけなら、言えると思います。

ひとり親の手続き全体の順番は、ひとり親になったら手続き|窓口別の順番と期限を公式資料で整理に書きました。お金の制度は、父子家庭の手当4つを比較をどうぞ。

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ひろと

ひろと

40代のシングルファーザー。5歳で母を亡くし、父子家庭で育ちました。今は息子と2人です。
「息子には、選択肢の多い人生を。」その思いから、貯める → 増やす「お金の順番」を実践しています。

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